経営理念を作る時の留意点 ~ 心の本音を知る旅 ~

前回は経営理念に対し、その重要性や各社の経営理念の違いについて書かせて頂きました。

今回は、その経営理念を作る時の留意点を書かせて頂きます。

よろしくお願いいたします。

心の奥にアクセスをする

経営理念という言葉を今までほとんど聞いたことがない経営者様もおられます。

また、これから事業を始めようという経営者の卵様にも、経営理念という言葉をあまり聞いたことがないかもしれません。

そんな経営者様や経営者の卵様に私がよく聞くのが、

「何故、その仕事を始められたのですか?」
(経営者様向け)

「何故、その仕事を選ばれたのですか?」
(経営者の卵様向け)

の二つです。

「何故、始めたのか?」「何故、選んだのか?」を聞くと、クライアントさんの心の奥に隠れてる本当の経営理念に近づけることが多いのです。

 

ある御相談の例からの考察

先日、新規事業のご相談をしている時でした。

「なぜ、そのお仕事を選ばれたのですか?」という質問に対し、「興味があり、収入が期待できそうだから」という回答を頂きました。

「その仕事のことを心に浮かべて、気持ちがワクワクしたり楽しくなったりしますか?」という質問に対しては、少々疑問を感じておられるようでした。

類似する仕事について話し始めると、相談主様の目つきが一瞬変わりました。

この目つきが一瞬変わるという現象は、本音の部分にアクセスができた時に多いのです。

潜在意識にアクセスできた結果とも言えます。

この目つきが一瞬変わるというのがとても大切なのです。

「やりたいこと」と「心の底からやりたいこと」が少し違うことは多々あります。

経営者の心の底から湧き出てくる思いが、考えている経営理念と少し違うものの繋がっていることは多いのです。

 

Bさんの起業物語

例えば、IT会社を営む経営者AさんとBさんを比較してみましょう。

Aさんの経営理念は、「ソフトウェア開発を通じて、世界中の人たちが快適に過ごせる社会の構築に貢献する」だとします。

Bさんの経営理念は、「スマホゲームのアプリ開発を通じて、世界中の人たちが快適に過ごせる社会の構築に貢献する」だとします。

似ているのですが、微妙に違う例を挙げました。

Aさんのはソフトウェア開発で、Bさんのはスマホゲームのアプリ開発です。

少しややこしくなってきましたので、↓こんな物語を作ってみました。

タイトルは、Bさんの起業物語です。

Bさんはソフトウェア開発の仕事を10年以上に渡り携わっていました。

ある時、独立をして会社を立ち上げました。

独立したころは、それまでやってきたソフトウェア開発を主力事業と考え、経営理念を「ソフトウェア開発を通じて、世界中の人たちが快適に過ごせる社会の構築に貢献する」と定めました。

しかし、Bさんは、ソフトウェア開発をしていてもなぜか心底仕事に没頭できません。

朝起きて仕事を始め、いつも終わるのは真夜中。

心からワクワクするようなやりがいを感じることができないものの、仕事に追われる日々を送っていました。

そんなある日、スマホゲームのアプリ開発をしている友人のAさんからどうしても手伝って欲しいとの依頼を受けました。

自分の仕事が忙しいBさんは、断ろうとしたものの、何故か気になります

友人Aさんの熱意に負け、少し手伝ってみることにしました。

すると、どうでしょう。

Bさんはスマホゲームのアプリ開発に目覚め、一生涯続けたいと願うようになったのです。

やがて、Bさんは自分の会社の経営理念を友人Aさんの会社と同じ「スマホゲームのアプリ開発を通じて、世界中の人たちが快適に過ごせる社会の構築に貢献する」に変更し、心底没頭できる仕事に就くことができたそうです。

めでたしめでたし。

Bさんの起業物語はここまでです。

この物語の大切な点は

・業務用ソフトの開発しながらスマホ用アプリの開発に携わることになった際に、何となく心がひかれたこと

 

この何となく心がひかれたことがとても重要です。

 

まとめ

経営理念を作る時に留意して頂きたいのは、Bさんの物語のように心の奥に隠れてる本音と、今考えてるものが完全に一致しないことはよくある、ということです。

 

そして大切なのは、自分で気づくこと。

 

目つきが変わったりする瞬間を、私たちプロは見逃しません。

 

是非とも気づきを得て経営理念に活用し、幸せな経営を営んで下さい。

心の奥に隠れてる本音は大切だと思います。

 

 

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

何か質問がありましたら、どんなことでも受け付けます。

コメント欄でも、メール(arcadia@keiei119.com)でも結構です。

どしどしお寄せ下さい。

お待ちしております。

 

 

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