私たち経営119.comではその名前が示す救急隊にちなんで、
・売上が上がったり下がったりの横ばい状態が続き、将来に不安を抱える経営者を救い、お役に立ちたい
・頑張っているのに売上が低下し、悩んでいる経営者を救い、お役に立ちたい
という願いを持っております。
しかし、新規開業に悩みを持つ経営者様・事業主様を救い、社会に貢献するのもまた一つの使命であると自負しております。
今回は、指圧治療院開業に当たって悩んでおられる経営者様(以下、S氏)のお悩みを伺いました。
経営理念を確認する
S氏の願いは、「指圧を通じて働き盛りの方々にもっと元気になって欲しい!」とのことでした。
この願いは経営理念と呼ばれるものであり、下図に示した経営活動のピラミッドの頂点に位置するものです。
実は、新規開業をされる多くの方々がこの経営理念を定めていません。
経営理念という言葉を知る機会が少ないからだと思います。
経営理念を定めていないということは、この経営活動のピラミッドの中で頂点に位置するものが定まってないということになります。
経営戦略(成長戦略や競争戦略等)の策定は、この経営理念から始まります。
経営理念を軽視すると、その下位層にある戦略を考えてもなかなか焦点が定まらない戦略になってしまうのです。
S氏は明確に経営理念、経営者の願いを述べておられたので安心しました。
経営理念に対する確認は十分だと思い、次のテーマに入りました。
売上向上の落とし穴を探す
これから開業される方にとって、どれだけ儲かるかはとても大切だと思います。
しかし、売上向上の妨げになる落とし穴を探すのも大切です。
指圧に対する思いなどを伺っているうちに、S氏はとても正義感の強い方であることがわかりました。
国家資格をお持ちのS氏は、将来的に健康保険の適用を受けられる可能性もあります。
S氏の心の中には、この健康保険の適用に抵抗があるようでした。
健康保険を悪用する先生が存在する影響もあるのかもしれません。
かたくなに、健康保険の適用を拒絶しようとします。
健康保険で使われる保険金の源泉は国民の血税から流れてるものであるにも関わらず、これを不正使用する者がいます。
そのため、安易な気持ちで使ってはならないという、S氏の考えがあったためでした。
社会全体に与える影響を考えるのは経営者として素晴らしい資質です。
しかし、S氏は開業後に保険適用による売上獲得が弱点になる可能性があります。
この健康保険に関する対話は数時間に渡りました。
経営119.com では、お客様に納得頂けるまで徹底的に向き合うことを是としております。
私が最後に申し上げたのは、
「S様にとって大切なのは、御自分の価値観や考え方ですか?それとも、お客様ですか?」
「指圧を希望される方の中には、お金があればもっと受けたいと思われる方もおられると思います。そのようなお客様にとって大切なのは何だと思いますか?」
S氏はしばらく黙ったままでした。
経営者にとって正義感が強いことは大切です。
社会全体を考える経営者が増えることは、私たちの願いでもあります。
しかし、極端に強い信念は一歩間違えると本当に大切なのは何かを忘れてしまいます。
私たちの言葉がS氏の心の中まで染み渡り、成功を掴み取られることを祈念しております。